ムリ、ムダ、ムラの発見はできたど、どうやって改善していけばいいのだろうか、、、。
そんな悩みにお答えします。
自動車メーカー工場で改善活動の指導・教育を10年以上行ってきたプロが解説します。
3ムの意味や、職場でムリ、ムラ、ムダを見つけるための方法は3ムとはムリ、ムダ、ムラ。チェックリストと改善の注意点についても解説!の記事で解説しています。
【3ム撃退】ムリ、ムダ、ムラを改善するための考え方
ムリ、ムラ、ムダを改善するために効率的な考え方があります。
それはecrs(イクルス)の原則で考え、改善策を導くことです。
ecrs(イクルス)とは、
Eliminate(排除)、Combine(結合)、Rearrange(交換)、Simplify(簡素化)
の英語の頭文字を選択したものです。
それぞれについて詳しく解説していきます。
作業の排除(Eliminate)について
改善をするときはまず、その作業を無くせないかを考えていきます。
作業とは本来、意味のあるものです。
作業を深く追及していくと以前のトラブル対応で始めた作業だが、現在は設備導入により必要のない確認作業だった。なんてこともあります。
そういった場合はその作業をなくす検討が可能だということです。
この作業を無くしたらどうなる?この道具は必要?といった考えてみよう!
作業の結合(Combine)について
無くせそうにない作業にはまとめて作業できないかを考えていきます。
例えば
- ボルトを締め付ける
- ↓
- トルクレンチで締め付けを確認する
- ↓
- 確認のチェックとしてペンで印をつける
といった作業がある場合、トルクレンチに顔料を含ませて締め付け確認をすることでチェックの印をつける作業もまとめて行うことができます。
この作業、まとめたら?組み合わせたら?同時に行ったら?と考えてみよう!
作業の交換(Rearrange)について
まとめることのできなかった作業は交換することができないかを考えていきます。
例えば、設備の部品を製品ごとに交換する作業があったとします。この部品はボルトで取り付けていましたが、位置がが合わせづらく作業時間のバラつきが大きい作業となっていました。
この取り付けをボルトからナットでの取り付け(設備側にスタッドボルトを取り付ける改善)へ変更しました。これにより作業のバラつきを小さくするこができます。
作業の順序を入れ替えたら?他のやり方に変えたら?他の道具と取り替えたら?と考えてみよう!
作業の簡素化(Simplify)について
交換することのできなかった作業は簡素化できないか考えていきます。
余分な機能を無くしたり、仕事を分担して簡単にするといった発想です。この改善は日常でも目にすることができます。
例えば、駐車場の車止めなどは「正しい位置まで車を移動させ正しい位置にあることを確認して車をて止める」作業を「車止め止まるまで移動し車を止める」というように作業を簡素化した改善です。
単純にしたら?簡単にしたら?数を少なくしたら?と考えてみよう!
「ムリ、ムダ、ムラ」の作業について、この4つの考え方を排除→結合→交換→簡素化の順番で当てはめていきましょう。
必ずよい改善案を発見できるはずです。
初心者でも簡単に成果を出せる 理由
このecrs(イクルス)の原則で考え、改善策を導くことで初心者や改善の経験が少ない人でも成果を出すことができます。
なぜなら、改善のエキスパートやベテランといった人たちも同じ考え方で改善案を考えるからです。
改善のプロと同じ考え方をするから、効果的な改善のアイデアが出るんだね。
最適な改善への近道としてecrs(イクルス)の原則が役に立つのです。
それでも初心者にはハードルが高く感じる、、、。という人もいると思います。確かに初めてだと苦労することもあるかもです。
しかし、ベテランやエキスパートと同じ目線で改善案について考えることができていると思うと力が湧いてくるのではないでしょうか?
また、同じ目線で問題に向き合ったときに経験が浅いからこそ自由で過去に囚われない発想ができます。
こういった理由から、ecrs(イクルス)の原則で考えることで、初心者や改善の経験が浅くても成果が出せるのです。
改善を行う際に注意すべきこと
改善を行う際には現状の品質状況の把握を確実に行いましょう。
ムリ、ムラ、ムダの背景にクレームや過去の品質トラブルが原因になっていることがあります。
そのため、改善を行う前にその現場や職場の不良率、手直し率、クレーム件数、廃却数、品質のバラつき、等をデータとして把握しておくことが重要です。
現場の改善のを進める前に品質データを確認し、その影響を考えながら改善を進めよう。
現場や職場の変えるときには、この作業を変更すると品質にどのような影響を与えるのかを十分意識して行うことが大切です。
どんな改善にも共通していることですが、必ず改善のメリットと共にデメリットについても十分に検討するようにしましょう。
まとめ
まとめです
- ムリ、ムダ、ムラを改善するためにはecrs(イクルス)の原則で考え、改善策を導くこと
- 順番も重要、排除→結合→交換→簡素化の順番で当てはめて考えていく
- ベテランやエキスパートとおなじ考え方が出来るので初心者でも成果が出る
- 改善を行うときはメリット共にデメリットについても検討する
- 特にムリ、ムダ、ムラの改善は品質の変化に注意する
今回は「3ム」の改善に最適な手法について解説していきました。
改善の手法は様々ありますがこのecrs(イクルス)の原則は様々な場面で応用できます。
しっかり日常的に使うことでレベルアップしていきましょう。