部下への注意ってむずかしいな、、、。何度言っても、、、。
そんな悩みにお答えします。
☑記事の内容
- 部下へ「正しく」注意するための準備とは?
- 実際に注意するときの流れを確認
- 注意する上司として心がけること
私は自動車メーカーの工場で改善活動の指導を10年以上行ってきました。実績を金額に換算すると1億円以上の改善を行なってきたいわゆる改善のプロです。
そんな私が解説します。
部下へ「正しく」注意するための準備とは?
部下への注意は「正しく」できていますか?「正しい」注意とは部下に伝えたいことが明確に伝わり、行動が変化する注意です。
そんな行動の変化を促す注意には準備が必要です。
- 注意したことで部下に「どうなってほしいか」を考える
- 「何が起きているのか」といった事実の整理
- 上司として「どう感じたか」という感情の整理
- 部下に具体的に「何をしてほしいのか」という要求の整理
注意したことで部下に「どうなってほしいか」を考える
部下に注意する前に「どうなってほしいのか」を明確にするために考える必要があります。
目的のない注意は感情的になってしまったり、的外れになったりと良いことはありません。
注意することのゴールを明確することで効果のある「正しい」注意ができるようになります。
「何が起きているのか」といった事実の整理
注意したい事柄について「何が起きているのか」を客観的に観察します。
書類を期日までに提出しなかったということについて「何が起きているのか」を観察する場合、部下の仕事が遅いといった主観的な感想だけではなく、納期が短い、上司(自分)の支持が具体的でないといった自分の言動も含めて客観的に観察します。
客観的に観察することで、部下に注意する前に自分の言動を見直すべきだった、、、。と気づくこともあります。
注意する前に客観的に事実の整理をするということは注意する内容が的外れににあらないために重要なことなのです。
上司として「どう感じたか」という感情の整理
その事実に対しての自分の「どう感じたか」の感情を整理します。
「いい加減にしてくれ!!」といった感情的になることと混同しないことが重要です。
「何度も同じことで注意しているが、私の言っていることが伝わらなくて悲しい」といったように感情を言語化することが感情の整理になります。
人間には基本的な感情として「喜び」「悲しみ」「怒り」「驚き」「恐れ」「嫌悪」の6種類があるといわれています。
感情を言語化するときにはどれに当てはまるのかを考えながら行いましょう。
部下に具体的に「何をしてほしいのか」という要求の整理
最後は部下に「何をしてほしいのか」を整理します。
具体的な要求はシンプルで実行可能なことに限ります。
相手ができないことを望んでも無理があることは理解できると思います。
すぐに行える明確なアクションプランでかつ効果的な要求を検討しましょう。
実際に注意するときの流れを確認
注意による目標、事実、感情、要求の整理が終わったら実際に相手に伝えます。
伝える手順は以下になります。
- 適切な時と場所を選ぶ
- 自己開示を行いリラックスした雰囲気を作る
- 事実、感情、要求を順序だてて伝える
適切な場所とタイミングを選ぶ
基本は二人になれる空間で、忙しくないタイミングです。
人前で注意したり、忙しい時に注意することは素直に受け止められない、冷静に話が聞けないなどの失敗につながります。
お互いが落ち着いて話し合うことのできるタイミングや場所などを考えておく必要があります。
会議室などの別室に呼び出すといった方法もありますが、部下を委縮させたり緊張させることもありますので極力避けるようにします。
自己開示を行いリラックスした雰囲気を作る
いきなり本題に入る前にリラックスした雰囲気を作ることを意識します。
「大きなイベントがおわって一段落したな」「いろいろと準備を手伝ってくれるから助かっているよ」
など、自分の気持ちを言葉にすることで、その場と自分の緊張をほぐすことができます。
事実、感情、要求を順序だてて伝える
そして本題に入ります。あらかじめ整理しておいた「事実」「感情」「要求」を順序だてて伝えます。
「事実」を伝えるときは、自分の主観でなくお互いが納得できる客観的な事実を伝えることを意識します。
「感情」を伝えるときは、事実をもとにして「困っている」「心配している」「危惧している」などの自分の素直な気持ちを伝えます。
ここでは「私は~」とアイメッセージで伝えることが重要です。「あなたにとって良くないと思う」といった伝え方は相手へ押し付ける伝え方なので使ってはいけません。
「要求」を伝えるときは、何を行ってほしいか、どうなってほしいかを具体的に伝えます。
注意する上司として心がけること
注意する上司として心がけることが2つあります。
- 半分は自分の責任だと思う
- 部下にも考える「余白」を持たせる
半分は自分の責任だと思う
部下の注意を行うときは、常に半分は自分の責任だと考えるようにしましょう。
部下の失敗について100%部下の責任といったことはほぼ無く、上司にも責任が必ずあります。
自分にも責任があると思うことで感情的な注意をしなくなるといった効果もあります。
「部下の至らないところは上司の責任」そう思って注意するようにしましょう。
部下にも考える「余白」を持たせる
注意する場合は部下に考える「余白」を持たせることが重要です。
無理に「わかりました」「すみませんでした」の言葉を引き出すことが目的でないはずです。
部下自ら考え、行動を変化させることが目的のはずです。
部下に考えるような「余白」持たせるためには「~~なので考えてみてくれないか?」「どういう改善を行ったらよいと思う?」といった相手にも権限を持たせる物言いが必要です。
決めつけにならない注意の仕方を心がけましょう。
まとめ
記事のまとめです。
- 注意の前には下準備が必要
- 注意したことで部下に「どうなってほしいか」を考える
- 「何が起きているのか」といった事実の整理
- 上司として「どう感じたか」という感情の整理
- 部下に具体的に「何をしてほしいのか」という要求の整理
- 注意をするための手順
- 適切な時と場所を選ぶ
- 自己開示を行いリラックスした雰囲気を作る
- 事実、感情、要求を順序だてて伝える
- 上司として心がけること
- 半分は自分の責任だと思う
- 部下にも考える「余白」を持たせる
注意の仕方について解説しました。
次回は具体的な方法を解説していきます。
注意が感情的なることは部下との信頼関係をブチ壊す最悪な行動です。必ず準備をしてから注意を行うようにしましょう。
例外として、の場合はありますが、基本は人前での注意はご法度です。