【TPM 9】TPMについて理解を深めよう

TPM
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TPMについて詳しくなりたいな、、、。

そんな疑問にお答えします。

☑記事の内容

TPMの心得  最終回

私は自動車メーカーの工場で改善活動の指導を10年以上行ってきました。実績を金額に換算すると1億円以上の改善を行なってきたいわゆる改善のプロです。

そんな私が解説します。

TPMの心得  最終回

  1. ヒヤリハットの対策を行う
  2. 「黄エフ」を活用しよう
  3. 非定常作業の安全を確保する
  4. 災害予防のツールを使いこなそう

ヒヤリハットの対策を行う

ヒヤリハットとは突発的なことに「ヒヤッ」としたり「ハッ」とした経験のことで危険個所、行動の抽出で使用します。

労働災害は「ハインリッヒの法則」が成り立つと言われています。これはヒヤリハットが300件あるとその中の29件は災害に、1件は重大災害の発生につながるという法則です。

つまり、災害や重大災害を防ぐにはヒヤリハットを抽出して対策を行うことが重要なのです。

TPM活動の第1ステップで作業環境と設備の不具合抽出と共に、安全の不具合も同時に抽出していきましょう。そして第2ステップで改善を進めていきます。

安全の予防的な手段としてリスクアセスメントの実施があります。

リスクアセスメントとは

  1. リスク存在の多さ(密度)
  2. リスク発生の可能性(確率)
  3. リスクの危険度(重大性)

の3つを点数化し評価します。これにより重要度愛を決定し、対策を実施していきます。

「ハインリッヒの法則」を理解し、「ヒヤリハットの抽出と改善」と「リスクアセスメント」を実施することで安全な職場が実現できるのです。

「黄エフ」を活用しよう

「黄エフ」とは危険個所につけていくエフです。これを活用することで危険個所の見える化と共有化ができます。

黄エフ付けのポイントです

  1. 人に関すること
    1. 背伸びする
    2. またぐ
    3. のぞく
    4. 腰曲げ
    5. しゃがむ
    6. かがむ
    7. 重筋作業(15Kg以上)
    8. 高所作業(1.5m以上)
    9. 衣服の汚れ・破れ
  2. 設備に関すること
    1. とがっている
    2. 駆動部にに手が入る
    3. 駆動部が見えない
    4. 可動部に人が入る
    5. 加工点が見えない
    6. 端子がむき出し
    7. 端子のゆるみ
    8. 計測機器の異常・正常が分からない
    9. 配管に流れている物質が不明
    10. バルブに開閉表示がない
    11. 非常停止がない
    12. 安全装置がない
    13. 異常が出ても止まらない
    14. プラグスイッチがない(自動機・半自動機)
    15. インターロックがない
    16. チョコ停・空転が発生している
    17. 配線の直置き
    18. エア漏れ・水漏れ・油漏れ
  3. 材料に関すること
    1. 置き場の表示がない
    2. 最大仕掛量の表示がない
    3. 最大仕掛量を超えている
    4. 荷姿が決まっていない
    5. 材料の直置き
  4. 方法に関すること
    1. 作業手順・方法がない
    2. 作業手順の見直しがされていない
    3. 基準書が守れない(守りにくい)
    4. 管理者が不明確

TPM活動での安全活動は設備の不安全の種をなくすことが重要です。危険の予防対策に重点をおく未然防止策を行っていきます。

「設備の回転部にカバーがなくて危ないな」と思いながらもつい放置してしまい、ある日災害につながるものです。人・設備・材料・方法などそれぞれに危険が潜んでいることを認識し、共有化することが必要なのです。

黄エフ付け活動により、危険個所・方法の調査分析をもとに本質安全化を進めていきます。危険の種をなくすために徹底して危険の発生を明らかにして対策を行います。

非定常作業の安全を確保する

災害の多くは非定常作業において発生します。

非定常作業とは保全作業、製品不良対応、設備故障対応、試作、試運転、材料の切り替え作業などの定常的ではない作業です。

定常的な作業でないことから

  1. 設備及び管理面の事前検討が十分に行われていない
  2. オペレーターが習熟する機会が少ない
  3. 作業手順が明確でない
  4. 複数部門での作業

といった特徴から災害が発生しやすいと考えられています。

非定常作業における災害を防止するためには以下の手順を実施します。

  1. 定常作業・非定常作業を分類・整理する
  2. 非定常作業の標準作業手順書を作成し、実際に作業を行う
  3. 災害要因および対応措置の事前評価を行ない標準作業手順書に反映する
  4. 注意事項および禁止時事項を明確化し厳守する仕組みを作る

非定常作業であって標準作業手順書を作成し、管理していくことが安全の確保につながります。

非定常作業の要因である故障やチョコ停の改善を進め、非定常作業の発生回数を減らすことも重要です。

災害予防のツールを使いこなそう

災害予防のツールは様々ありますが代表的なものを紹介します。

  1. 危険予知活動(KYK)
  2. 危険予知トレーニング(KYT)
  3. フューエルセーフ
  4. フューエルループ

危険予知活動(KYK)

危険予知活動とは現場にて作業前にあらかじめ危険を想定し対策を立てることで災害を未然に防止する方法です。

朝礼時、非定常作業前、異常処置作業前など様々な場面で活用できます。

危険予知トレーニング(KYT)

危険予知トレーニングとはじぜんの訓練として、イラスト・図などを活用することで作業に関する危険個所や直接要因を視覚的に見つけ、その対策案を検討します。

新人配属時の教育に導入されたり、リーダー研修等でも活用されることが多いです。

フューエルセーフ

フューエルセーフとは設備が故障しても必ず安全になる仕組みや構造のことです。

設備に組み込んである場合もありますし、「安全棒」といった設備の位置エネルギーをゼロ化するツールを使用する場合もあります。

フューエルループ

フューエルループとは人が操作ミスをしても災害にならない仕組みや機構のことです。

人を災害から守るには「設備の安全化」か「人の防護」が必要です。

「人の防護」とは主に安全靴やヘルメットに代表される「保護具」と保護ネットや絶縁マットなどの「防具」を利用します。

TPM活動においても、このようなツールを活用することで災害を予防する活動を取り入れていきます。

まとめ

記事のまとめです

TPMの心得  最終回

  1. ヒヤリハットの対策を行う
  2. 「黄エフ」を活用しよう
  3. 非定常作業の安全を確保する
  4. 災害予防のツールを使いこなそう

TPM活動を通じて安全の向上を行うための心得を中心にしました。

品質よりも、コストよりも、納期よりも「安全が一番」です。取り組みむ問題も安全関連を最優先で取り組みます。

改善の検討の際も安全が犠牲になっていないか?の確認を行うことはとても重要です。

活発なTPM活動になるよう、心得を全員で共有することも大切です。