TPMについて詳しくなりたいな、、、。
そんな疑問にお答えします。
☑記事の内容
- TPMは重複小集団活動で行う
- 自分の設備は自分で守る
- 三現主義、5ゲン主義で考える
私は自動車メーカーの工場で改善活動の指導を10年以上行ってきました。実績を金額に換算すると1億円以上の改善を行なってきたいわゆる改善のプロです。
そんな私が解説していきます。
TPMは重複小集団活動で行う
「小集団活動」とは職場のメンバーをべーすとした全員参加・自主管理方式の職場改善活動です。
「重複小集団活動」とは各小集団のリーダーが上の階層のメンバーとして重複した役割を持っている小集団活動です。
- 会社のトップ層が「全社TPM推進委員会」を組織します。会社トップをリーダーとして各部門長をメンバーとします。
- 次に各部門長をリーダーとし、各課長をメンバーとした小集団を組織します。
- 次に各課長をリーダーとし、各係長をメンバーとした小集団を組織します。
- 次に各係長をリーダーとし、各役職者をメンバーとした小集団を組織します。
- 最後に各役職者をリーダーとし、作業者をメンバーとした小集団を組織します。
このようにリーダーとメンバーが重複して役割を持っています。
「普通の小集団」と違い、リーダーがー上下の組織をつなぐピンの役割を果たします。これにより
- トップの方針や目標が下位の小集団へ展開されやすい
- 現場の問題や成果がトップ層へ伝わりやすい
など上下のコミュニケーションに優れている全員参加の小集団です。
自分の設備は自分で守る
自主保全が「自主的」な「保全活動」ができる仕組みをつくりあげていきます。つまり「自分の設備は自分で守る」です。
「故障が起きたら保全部門任せ」「私たちは関係ない」ではいつまでたっても故障はなくなりません。
「自分の設備は自分で守る」ができなけれな、自分たちの仕事は楽になることもなく会社の業績にも悪影響が出ます。
「設備を守る」には7つの能力が必要です。
- 異常発見能力
- 処置・回復能力
- 要因分析能力
- 改善実施能力
- 条件設定能力
- 条件改善能力
- 条件管理能力
異常発見能力
異常発見能力とは、異常を異常と感じる能力です。
実際に不良や故障が発生した場合の「結果としての異常」は発見することは簡単です。しかしその以上の原因を発見することは難しいです。
結果として異常が出る前の異常を感じ、発見できる能力です。
処置・回復能力
処置・回復能力とは、実際に発見した原因系の異常に対し復元する能力です。
また、自分たちでは復元できないと判断し、上司や保全部門などの関連部門へ迅速に連絡するなどの処置ができることも必要です。
要因分析能力
要因分析能力とは、原理、原則をもとに要因を追求できる能力です。
メカニズムに従って理屈で原因を追究することが必要です。
また、様々な要因が正常か、異常かを判断する基準を検討できる能力も必要です。
改善実施能力
改善実施能力とは、発見した不具合に対してECRSの原則を理解し、より真因に近い対策ができる能力です。
やりにくい、難しいといった困難箇所を簡単にすることは重要ですが、その行為自体を行わなくする改善が最も効果的だということです。
条件設定能力
条件設定能力とは、改善効果を維持するために、定量的な判断基準をもとに品質特性との関連性を検討できる能力です。
機能・構造と品質特性との結びつきから理論的に検討することが大切です。
条件改善能力
条件改善能力とは、決め事を確実に守るために改善する能力です。
「守りにくい」「守れない」といった事柄に対して「少ない決め事を、長い周期で、短時間に守る」ための改善を行います。
条件管理能力
条件管理能力とは、決め事をしっかり守るとともに、守っていることを確認するためのルールを決めることができる能力です。
この7つの能力により「設備の日常点検」「給油・部品交換・修理といった保守作業」「異常の早期発見」「管理基準の決定と順守」といった活動を行います。
この活動を「実践」するにはあと3つ能力が必要になります。
この7つの能力で「設備を守る」を実践していきます。
三現主義、5ゲン主義で考える
三現主義とは「現場、現物、現実」で考える方法です。
5ゲン主義は三現主義に「原理、原則」を加えたものです。
三現主義での考え方を基本とし、必要に応じては5ゲン主義で考ます。
問題の解決や改善は「どうしてだろう、、、。」と机上で考えていても解決しません。
現場に足を運び、現物で確認し、現実を見ることから始めることが必要です。
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まとめ
記事のまとめです
TPMの心得の第2回として
- TPMは重複小集団活動で行う
- 自分の設備は自分で守る
- 三現主義、5ゲン主義で考える
について解説しました。
設備を守る能力と三現主義、5ゲン主義の考え方はリーダーのみでなく、メンバーに浸透することで強い小集団となります。
次回からは実際のステップ活動についての心得です。
TPM活動の心得はまだまだありますので数回にわけて続けいていきたいと思います。
活発なTPM活動になるよう、心得を全員で共有することも大切です。