【IE手法による現場改善⑤】組み合わせ 工程分析について知る

改善
Business people connecting puzzle pieces

IE手法の組み合わせ作業分析について知りたいな、、、。

そんな悩みにお答えします。

☑記事の内容

  1. 組み合わせ作業分析とは
  2. 作業者-機械分析について
  3. 共同作業分析について
  4. 組み合わせ作業分析の使い方

私は自動車メーカーの工場で改善活動の指導を10年以上行ってきました。実績を金額に換算すると1億円以上の改善を行なってきたいわゆる改善のプロです。

そんな私が解説していきます。

組み合わせ作業分析とは

IE手法には工程分析が3種類ありそのうちの一つが「組み合わせ作業分析」です。分析の対象を「人と機械の関係」「人と人の関係」とした分析手法です。

行程分析を行う際の注意点

どの工程分析にも共通している注意点がありま。

  1. 分析する対象を間違えないようにする
  2. 分析を確実に行い、改善活動に結び付ける
  3. 分析の漏れがないように、最初に分析の範囲を決めておく
  4. 実際に現場で作業者と一緒に考えながら分析する
  5. 工程の流れが変化する場合は、最も基本的な生産の流れに基づいて分析する
  6. 分析中に改善のアイデアを考えておく
  7. 改善案は個別改善より工程全体の改善から考える

ねらい

  1. 自動機械作業、共同作業などでの「手待ち」「あそび」をなくし作業負荷を均等にする
  2. 機械の受け持ち台数、共同作業の人数を適正なものに決める

用途

  1. 多量生産設備の稼働率を上げようとするとき
  2. 共同作業の編成をするとき
  3. 共同作業の改善をするとき
  4. 一人あるいは複数の作業者が、何台の機械を操作できるか検討するとき
  5. 設備、機械を改造するとき

作業者-機械分析について

作業者-機械分析とは、機械の稼働状態と作業者の作業手順との時間関係を関連させて記録、図表化することにより、それぞれの「あそび」時間を調べる方法です。

一人の作業者が1台~複数台の機会を受け持っている場合に、機械が動いている間に作業者に「手待ち」が発生したり、他の機械が停止している場合の分作業の効率化に活用します。

用途

稼働率低下の原因を発見する場合に活用する

人が機械を用いて仕事をしている場合、相互関係が不適当であると「あそび」時間が発生してしまいます。その原因を発見するために活用できます。

作業者の持ち台数を検討するための資料として活用する

一人一台の機械受け持ちの場合に、わずかな時間しか機械に注意を払っていない時は複数台の機会を受け持つことで「あそび」時間を少なくできます。

作業者、機械に稼働重点を決めるために活用する

作業者の時間と機械の時間のどちらを有効使用するほうが有利か検討することができます

機械配置の改善資料として活用する

作業者の稼働率向上のため、機械配置の変更のを検討することができます。

作業者-機械分析のやり方

基本的な手順は「作業者工程分析」と同じ方法で行います。図表でまとめ作業者と機械の時間的な相互関係がわかるようにします。

  1. 分析の目的を決める
  2. 対象となる作業者を決める
  3. 作業の範囲を決める
  4. 分析の日程計画を立てる
  5. 予備調査をする
  6. 分析の準備をする
  7. 分析用紙に必要事項を記入する
  8. 作業者の行動を分類し記入する
  9. 作業内容を調査し、各項目の欄に記入する
  10. 結果を整理し総括表を作成する
  11. 流れ線図を作成する
  12. 分析結果を検討し、改善案を立案する

この手順の中で、作成した分析図表をもとに時間的な相互関係を明らかにします。

1、作業者と機械それぞれについて個別の1サイクルの作業内容を分析図表に記入する

2,時間の一致する箇所(同時に開始、終了する作業)を一つの基準として各分析図表を並べる

3,分析図表の各時間を正しく測定する

4、各作業の時間を柱の長さで表し、時間的に一致するところを基準にして、柱状図表をならべてまとめる

5、作業者と機械のアンバランス度の度合いを定量的にまとめた表を作成する

6、チェックリスト等を用いて図表の内容を検討し、改善案を作成する

7,新方式による作業者-機械分析表を作成し、新旧比較し要約表を作成する

共同作業分析について

共同作業分析とは、数人の作業者が共同して一つの仕事を行うとき、相互関係を分析し、記録する方法です。

数人の作業者が共同して作業を行っていると、特定の作業者に負荷がかかり、他の作業者は見ているだけといった状態が起こります。このような場合の作業の効率化に活用します。

用途

  1. 仕事を適当なところで分割し再分割を行い、仕事量の公平を図るために活用できる
  2. 最も時間のかかる作業を発見し、改善するための資料として活用できる

共同作業分析のやり方

基本的な手順は「作業者工程分析」と同じ方法で行います。図表でまとめ作業者と作業者の時間的な相互関係がわかるようにします。

  1. 分析の目的を決める
  2. 対象となる作業者を決める
  3. 作業の範囲を決める
  4. 分析の日程計画を立てる
  5. 予備調査をする
  6. 分析の準備をする
  7. 分析用紙に必要事項を記入する
  8. 作業者の行動を分類し記入する
  9. 作業内容を調査し、各項目の欄に記入する
  10. 結果を整理し総括表を作成する
  11. 流れ線図を作成する
  12. 分析結果を検討し、改善案を立案する

この手順の中で、作成した分析図表をもとに時間的な相互関係を明らかにします。

1、各作業者それぞれについて個別の1サイクルの作業内容を分析図表に記入する

2,時間の一致する箇所(同時に開始、終了する作業)を一つの基準として各分析図表を並べる

3,分析図表の各時間を正しく測定する

4、一組の作業者の「作業者工程分析表」と「時間測定」から分析用紙上に現在の方法での「共同作業分析票」を作成する

5、各作業者の仕事の時間を「作業」と「手待ち」に分け、表にまとめ現在方法の総括表を作成する

6、共同作業分析チェックリストをつかい、図表の内容を検討し、改善案を作成する

7,新方式による共同作業分析表を作成し、新旧比較し総括表を作成する

組み合わせ作業分析の使い方

組み合わせ作業分析は、互いの時間関係を見る手法ですので、主に稼働上の問題を発見するために活用します。

人と機械、人と人の互いに関係する作業の稼働状態を確認する場合

「機械稼働中の作業者の手待ち」や「一人の作業者のための他の作業者の手待ち」など「あそび」の発生状況と時間値を知ることができます。

これにより、作業の組み合わせを変更するなどの改善を行い「あぞび」を低減し1サイクルの作業時間を短縮していきます。

また、作業者の「あそび」時間を調整することで「もう一台機械を受け持てないか」「作業者を減らすことができないか」を検討することができます。

改善の効果を調べる場合

組み合わせ作業の改善や、改善案の立案を行ったとき、改善前後の比較を組み合わせ作業分析表で行います。

これにより、改善効果を数字だけでなく、時間値を示す図表化された記号の割合により明確にできます。

まとめ

☑記事のまとめです

  1. 組み合わせ作業分析とは分析の対象を「人と機械の関係」「人と人の関係」とした分析手法
  2. 組み合わせ作業分析には「作業者-機械分析」と「共同作業分析」がある
  3. 作業者-機械分析とは、機械の稼働状態と作業者の作業手順との時間関係を関連させる分析手法
  4. 共同作業分析とは、数人の作業者が共同して一つの仕事を行うとき、相互関係を分析する手法
  5. 組み合わせ作業分析は、主に稼働上の問題を発見するために活用する

IE手法の組み合わせ作業分析について大枠を解説しました。

他の分析についての詳細は別記事で開設予定です。