3ゲン主義とか5ゲン主義とかって何?
今さら聞けないし、、、。
そんな悩みにお答えします。
☑️記事の内容
- 【知ってますか?】3ゲン主義(三現主義)とは
- 3ゲン主義と5ゲン主義の違い
- どんなときに使う言葉なの?
この記事を書いている私は、自動車メーカー工場で改善活動の指導経験が10年以上。金額換算すると1億円以上の改善経験があります。
そんな私が解説します。
【知ってますか?】3ゲン主義とは
3ゲン主義は「三現主義」と書きます。
三現主義とは改善活動や問題解決の際に「現場」、「現物」、「現実」を重要視し、机上の空論で話を進めるべきではないという考え方です。
- 「現場」で考えること
- 「現実」に直接触れてみること
- 「現実」を見ること
この「現場」、「現実」、「現物」の3つの言葉の頭文字から三現主義と呼ばれています。
なぜ三現主義で考える?
システムの進化やパソコンの普及で多くのデータを扱うことができるようになりました。そのデータを基にして現場の問題が分かっている、解決できるような気になってしまいます。
しかし、それでは大事なことを見落として判断を間違えることがあります。
そのため三現主義を重要視した考え方が必要なのです。
失敗例です。
あなたが職場の班長(リーダー)だと考えてみてください。
そして、あなたの班から想像以上の不良品が出てきてしまっている状況だとします。
あなたは問題を解決しなければいけないと思い、担当作業者へ原因の特定を指示しました。
すると担当作業者は、「生産機械が古いことが原因だ」と返答してきました。
そこであなたは上司に掛け合い新しい生産機械を導入することに成功しました。
ところが不良率は一向に下がりません。
そして結果的に設備新調の効果が出なかった責任であなたは班長の職を辞することになったのです。
と、これは三現主義を重要視しなかった場合の極端な失敗例です。
しかし、あなたが三現主義を重要視していたらどうなっていたでしょうか?
例えば担当作業者に原因の特定を支持するだけでなく、あなた自身が生産「現場」に足を運んでいたとします。
そして、不良品の「現物」をその目で確認しました。
すると明らかに機械の老朽化による不良では現れないような不良が出ていたのです。
そこであなたは「現場」で担当作業者の作業態度を見てみることにしました。
すると担当作業者が作業手順を正しく守っていないという「現実」を知ることになったのです。
三現主義を重要視することで、不良の原因は「機械の老朽化」でなく「人」にあったということに気がつけたのです。
もちろん現場に行った結果、本当に機械の不調であったという場合もあります。
しかしそれはあくまでも結果の話であり、実際にその目で原因を特定しているかどうかというところに大きな意味があるのです。
今回は生産現場での例をあげましたが、現場以外の管理業務だったり、製品やサービスについても重要視されていることなのです。
なぜなら三現主義は問題解決だけでなく問題を未然に防いだり商品やサービスを改善したりすることにも有効な考え方だからです。
3ゲン主義と5ゲン主義の違い
三現主義と5ゲン主義の違いは重要視する項目の違いにあります。
5ゲン主義とはは3現主義での「現場」、「現物」、「現実」に加え「原理」、「原則」を重要視した考え方です。
- 「現場」で考えること
- 「現実」に直接触れてみること
- 「現実」を見ること
- 「原理」を理解すること
- 「原則」を知っておくこと
「原理」、「原則」の意味は以下のとおりです。
- 原理 → 物事が成り立つ法則やメカニズム
- 原則 → 多くの場合に当てはまる規則や決まり事
原理の事例
電球が点灯する原理で考えてみましょう。
電球はフィラメントに電流を流すことで発熱と発光をします。電流を流すとフィラメントに電気抵抗が起き、温度が上昇し約2000〜3000℃の高音になり白熱化して光ります。
このような物事が成り立つメカニズムや法則が「原理」です。
原則の事例
あなたが部下の悩みを聞くために会議室を予約するとします。
この場合、ほとんどの人が個室で2人っきりで話を聞けるタイプの会議室を予約するべきだと考えると思います。
なぜなら「他の人に部下の悩みを聞かれると良くない」とほとんどの人は考えるからです。
もちろんオープンな場所でも平気な部下もいます。
しかし多くの場合、悩みは相談者以外の人に聞かれたくないものという規則性が当てはまるはずです。
このような多くの場合に当てはることが「原則」です。
三現主義だけでなく、「それがなぜ成り立つのか」、「多くの場合どういった結果になるのか」ということを理解しておけばより問題解決や改善の精度が上がり成果を結果を出しやすくなります。
どんなときに使う言葉なの?
三現主義と5ゲン主義の言葉の意味は理解していただけたと思います。
実際に仕事ではどのような場面で使うのでしょうか?
改善の場面で考えてみましょう。
- 問題を正しく把握するときに「5ゲン主義(三現主義)」で確認する
- 対策案について「5ゲン主義(三現主義)」で実現可能か検討する
- 対策の効果を確認する時に「5ゲン主義(三現主義)」で確認する
- 対策がの成果が出ない場合は「5ゲン主義(三現主義)」で考える
といった場面で使います。(最近の傾向としては5ゲン主義が主流です)
また、改善成果の報告等がある場合は「三現主義に基づいて考えて〜〜」、「5ゲン主義に基づいて考えて〜〜」と報告時にアピールすることもあります。
このように「三現主義」、「5ゲン主義」は問題の本質を知る場合に使っていきます。
様々な問題をこの「三現主義」、「5ゲン主義」を使って考えていきましょう。
まとめ
記事のまとめです
- 「三現主義」は「現場」、「現物」、「現実」を重要視した考え方
- 「5ゲン主義」は三限主義に「原理」、「原則」を加えた考え方
- どちらの考え方も問題の本質を知るのに重要な考え方
難しい問題もこの「三現主義」「5ゲン主義」で考えると解決できるはずです。
繰り返し様々な問題について考え、レベルアップしていきましょう。