マインドマップって現場で活用できないかな、、、?
そんな疑問にお答えします。
☑記事の内容
- マインドマップとは?
- マインドマップの作り方
- 【現場改善に役立つ】マインドマップの活用方法
私は自動車メーカーの工場で改善活動の指導を10年以上行ってきました。実績を金額に換算すると1億円以上の改善を行なってきたいわゆる改善のプロです。
そんな私が解説します。
マインドマップとは?
「マインドマップ」とは用紙の中央にメインテーマを配置してそこから連想される情報やアイデアを線でつなぎながら、放射線状に展開していく思考方法です。
マインドマップを作成するときに関連する気ワードについて連想したり、想像したりする必要があります。これが脳のトレーニングとなり、記憶力・理解力・想像力を向上させるといわれています。
また、頭の中にあるアイデアや複雑なテーマなどの全体図を俯瞰できる図形として可視化できるようになります。これにより、複雑な発想や計画を自身、他者ともに理解しやすくなります。
複雑な発想や計画の理解度が向上すると「難しそうだからやめておこうかな、、、」「よくわからないから手を付けずにしようかな、、、」といった消極的になる理由の解消につながります。つまり、行動に移すための意思決定の補助としての役割をします。
マインドマップの作り方
マインドマップの作り方(作図)について解説していきます。
- マインドマップのルール
- マインドマップの作図手順
- マインドマップの作図のポイント
マインドマップのルール
マインドマップを提唱したトニー氏による12のルールです。
- 無地の用紙を使う
- 用紙は横長で使う
- 用紙は中心から描く
- テーマはイメージで描く
- 1ブランチ = 1ワード
- ワードは単語で書く
- ブランチは曲線で描く
- 強調する
- 関連付ける
- 独自のスタイルで
- 創造的に
- 楽しむ
実際にはこの12のルールを全て守って作図することは困難です。
例えば「テーマをイメージで描く」ですが、業務中にマインドマップの作成のためとはいえ、用紙の中心にカラフルなイラストを描くことは現実的ではありません。
ほかにも「独自のスタイルで」とありますが、ある程度フォーマット化(例えば作図ソフト)を活用したほうが作図のスピードは格段に速くなります。
ルールを意識することはよいですがルールに縛られて作図に悪影響が無いように注意することが重要です。
マインドマップの目的は「情報を深く理解する」「情報の整理をする」などです。
ルールに縛られてこの目的を見失わないようにしましょう。
マインドマップの作図手順
- 用紙の中心にテーマを記入する
- 関連するキーワードをメインテーマから分岐させる
- 関連するキーワードをさらに詳細に分解する
- 重要度や関連度でテーマを再配置やグルーピングする
- 完成したマインドマップを確認する
用紙の中心にテーマを記入する
無地の用紙を横長にして、中心にテーマを記入します。業務の問題点や目標など解決したいことや深く考えてみたい事柄などを記入します。
関連するキーワードをメインテーマから分岐させる
中心のテーマから関連するキーワードを「木の枝が分岐するよう」に線でつなげて追加していきます。
この各キーワードをつなげる線のことを「ブランチ(枝)」と呼びます。ブランチは曲線で描くと視覚的に見やすくなります。
関連するキーワードをさらに詳細に分解する
関連するキーワードについて思考を深め、どんどん分解してブランチを追加していきます。
分解の仕方にルールはなく、自由な発想で分解していきます。テーマに関するキーワードを出し切るまで続けます。
重要度や関連度でテーマを再配置やグルーピングする
テーマを出し切ったら重要度や関連性の高いキーワードを近くに再配置したり、グルーピングして用紙の端にまとめたりします。
キーワードの整理を行うことでテーマに対しての理解度などが深まります。
完成したマインドマップを確認する
完成したマインドマップを見直します。
作図前と作図後の自分の考えの変化等について確認を行ったり、重要な流れやつながりについて確認します。
完成したマインドマップから気づきを得て、違うマインドマップを作成する原動力となることもあります。
マインドマップの作図のポイント
マインドマップを作図するときのポイントです。
- 大きな用紙で始める
- アイデアを追加して完成度を高める
- マインドマップのソフトを使う
大きな用紙で始める
A3用紙かスケッチブックのサイズで始めることをお勧めします。
用紙が小さいとマインドマップのキーワードを出し切る前に余白がなくなってしまいます。余白がなくなると、無意識に「もういいかな、、、。」と感じてしまいます。これではキーワードを出し切ることができません。
可能な限り大きな用紙で始めることがポイントです。
アイデアを追加して完成度を高める
マインドマップが完成しても、気になることやアイデアがあればどんどん追加していきます。
時間がたつと作図当時は気が付かなかった着眼点や発想があるものです。
どんどんキーワードを追加したり、見直してグルーピングをやり直したりし、完成度を高めていきましょう。
作図した後も定期的に見直し完成度を高めることがポイントです。
マインドマップのソフトを使う
大きな用紙で、、、と言ってきましたがマインドマップのソフトを活用すると用紙の問題は解決できます。
さらに、ソフトであれば関連付けやグルーピングも容易にできます。また、字のきたなさを気にする方にもおすすめです。
ソフトに使い慣れると手書きに戻れなくる位効率的に作図できます。
マインドマップのソフトを使うことがポイントです。
【現場改善に役立つ】マインドマップの活用方法
マインドマップは現場での改善活動に役立ちます。
問題解決ストーリで考えた場合の活用方法
テーマの選定に活用
テーマの選定時にマインドマップを活用できます。
問題解決型のストーリーにしても、課題達成型のストーリーにしても理想と現実のギャップを見つけることが需要です。
問題のテーマを決めるために「A製品の不良」をテーマにしてマインドマップを作図して不良についての理解を深めていきテーマの選定とすることができます。
また、課題達成型のストーリーの場合には上位の方針へコミットする課題の選定が重要になります。ですので「上位の方針」をテーマに作図したり、直接的に「方針との乖離」をテーマにして作図することもできます。
現状の把握と目標の設定に活用
現状の把握と目標の設定でもマインドマップを活用することができます。
現状の「何」を把握する必要があるのかについて考えるために「A製品の品質特性」について作図したり、目標値の決定について「目標値の決定根拠」について作図することもあります。
活動計画の立案に活用
活動計画の立案でもマインドマップを活用することができます。
どのようなステップで活動していくのかの項目を考えるために「活動に必要なステップ」で作図することで必要なステップについて理解が深まります。
要因の解析に活用
要因の解析でもマインドマップを活用することができます。
マインドマップ≒なぜなぜ分析といった使い方ができるからです。
なぜなぜ分析もマインドマップの親戚と思えば要因の解析で活用するイメージがわきやすいと思います。
対策の検討と実施に活用
対策の検討と実施でもマインドマップを活用することができます。
対策案の立案に必要な要件について「A製品の製造要件」について作図したり、「A製品の仕様用途」を作図し製品用途を理解することなどに活用できます。
また、対策の実施についても「対策実施時の関係者」について作図し、関係者への確認や連絡のモレを防ぎます。
効果の確認に活用
効果の確認でもマインドマップを活用できます。
「対策の2次効果」テーマにして作図し、あらかじめ2次効果について検討し理解しておくことで取りこぼしを防ぐことができます。
2次効果は直接的な効果でないため事前検討をしなければ取りこぼしてしまうので、おススメの活用方法です。
標準化と管理の定着に活用
標準化と管理の定着でもマインドマップを活用していきます。
「標準化の手段」について作図したり、「管理できな状態」ついて作図することであらかじめNGを検討し事前に対策を行い、管理の定着化を進めていきます。
残課題と今後の計画に活用
残課題と今後の計画でもマインドマップを活用できます。
単純に「残課題」をテーマにして残課題についての考えを深めることや「上司の方針」を再度作図し、今回の活動の方向性はあっていたのか?などの振り返りを行います。
このように問題解決ストーリーに当てはめただけでも活用の場面がたくさんあります。
マインドマップは「考えを深める」「理解を深める」「思考を俯瞰する」といった用途で活用できるので、現場で「考える」「理解が必要」「考えを整理する」といった場面で活用できるのです。
まとめ
記事のまとめです。
- 「マインドマップ」とは考えを放射線状に展開していく思考方法
- 現場で活用する場面は「考える」「理解が必要」「考えを整理する」
マインドマップについて解説しました。
世の中には様々なマインドマップの方法がありますが、現場で使うにはシンプルに作図し、他のメンバーに展開して考えを共有したりする必要があります。
マインドマップのソフトで行えば、作図したものをオンラインで共有できたり、1つのマップを複数人で同時に作図することも可能ですので、いろいろ調べて使いこなしてみてください。