【安全、健康に働くために!】安全衛生の基本

仕事の基本
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安全衛生って、、、?言葉はよく聞くのだけど詳しく知りたいな。

そんな悩みにお答えします。

☑記事の内容

  1. 【安全、健康に働くために!】安全衛生の基本
  2. 安全衛生を実務に生かすには?
  3. 実際に災害が発生した時の行動とは?
  4.  

私は自動車メーカーの工場で改善活動の指導を10年以上行ってきました。実績を金額に換算すると1億円以上の改善を行なってきたいわゆる改善のプロです。

そんな私が解説していきます。

【安全、健康に働くために!】安全衛生の基本

安全衛生とは職場における労働者の安全と健康を確保し、快適な職場環境を形成するための取り組みです。

安全衛生の目的

安全衛生の目的は健康を保ち、危険がない中で安全に働くことができるようにすることです。

具体的に行うことは「災害防止」と「健康維持」です。

災害防止の取り組みを「労働安全」といい、仕事上で負傷などをしないようにすることです。

健康維持の取り組みを「労働衛生」といい、仕事上で病気にかからないように健子を保つことです。

安全の確保

安全を確保するにはその原因について知る必要があります。

災害の原因は「不安全な状態」で「不安全な行動」の2つが重なることです。

つまり「安全な状態」か「安全な行動」どちらかが守れていれば災害は起こらないということです。

健康の維持津

健康を維持するにはその原因について知る必要があります。

労働衛生における病気の原因は「不規則な生活」と「不衛生な環境」の両方に原因があるとしています。

健康は自分で守ることを心掛け、規則正しく、衛生的な環境を保つことが重要とされています。

安全衛生の基礎知識

安全を確保するための基礎知識として以下の2つがあります。

  1. 災害発生の確立を高めるものについての理解
  2. 人の限界への理解

解説します。

災害発生の確立を高めるものについての理解

災害の確立を高めるものとは、不安全な行動です。

状態はあまり変化しませんが、行動は体調や心理状態により変化するため注意が必要です。

「うっかり」「無意識に」行ってしまう不安全行動があります。

入力忘れや錯覚、思い込みなどによる「ミス」や能力不足から発生してしまう「失敗」や手順忘れ等の「失念」といったものが不安全な行動につながっています。

「近道行動」「手抜き」「作為(わざと)」といった意識して行う不安全行動があります。

近道行動とは、焦る気持ちから本来の手順とは違う手順で作業することです。

手抜きとは、面倒だといった気持から本来の手順の一部を抜いて作業することです。

作為(わざと)とは、問題を起こすことを目的としてわざとルール違反をすることです。

これらの行動は不安全な行動につながっています。

人の限界への理解

人の能力への過信は不安全行動を引き起こします。

「ミス」について

人は1000回に3回はミスをするものです。

「ミス」をしてはいけないと無理な作業をる続けると危険です。

「ミス」を前提に無理のない作業を作業を心がけるようにします。

「重さ」について

人が体を痛める「重さ」は20Kgとされています。

20Kg以上のものを持ったり運搬する作業を続けると体を痛める可能性が高くなります。

無理すれば何とか作業できる重さです。

大丈夫と過信して体を傷めない作業を心がけるようにします。

「温度」について

人は44度でやけどします。44度はお風呂の温度(約40度)より少し熱いくらいです。

長時間接触が続くと低温やけどを起こします。

低温でもやけどが起こるということを理解しておくことが重要です。

認識できる「視野角」について

人は60度より外側は見えているけど「認識できていない」状態です。

つまり「見えているようで見えていない」のです。

モノがあることにに気づかず、ぶつかったり、つまづきいたりしてしまいます。

安全衛生を実務に生かすには?

実務での安全衛生とは「不安全な行動をしない」、「不安全な環境にしない」さらに「あらかじめ危険を予知して対策を行う」ことです。

安全衛生の4つの約束

「不安全な行動をしない」ためには安全のルールを守る必要があります。

  1. 作業手順を守る
  2. 防護設備や安全装置を正しく使う
  3. 通行ルールを守る
  4. 保護具は正しく着用する

の4つの安全ルールについて解説します。

作業手順を守る

作業手順は品質や生産性の確保が目的ですが、安全に作業できる配慮もされています。

自己流での手順では作業はできるかもしれませんが、安全上に問題が発生します。

安全のために、決めれらた手順で作業を行うことが重要です。

防護設備や安全装置を正しく使う

扉やカバーは切りくずの飛散を防いだり、うっかり手が入らないように設置してあります。扉やカバーはしっかりと閉めて作業することが大切です。

排気ダクトは有害な物質や熱気等を排気するために設置してあります。排気を遮ったり、排気を止めたりしないようにすることが大切です。

安全装置は設備の異常を検知して止めことで安全を確保するための装置です。運転中に保護扉を開けると停止するといった機能です。

安全装置を切ったり、誤作動させての作業は災害に直結します。大災害はこのよ安全装置を故意に無効化したことで発生しています。

安全装置は必ず正常に作動するように保つことが大切です。

通行ルールを守る

工場には「歩行帯」と呼ばれる人のための通路が確保してあります。

この「歩行帯」人とフォークリフトなどの車両を分離する目的や、作業エリアと通路を区分する目的で設置されます。

決められた通路を歩き、工場内では走ることは厳禁です。また、曲がり角や交差点、扉の前では一旦停止して安全を確認することも大切です。

保護具は正しく着用する

保護具の目的は清潔に動きやすく安全に作業ができることです。

ヘルメットや保護メガネ、手袋、安全靴はもちろんですが作業服も保護具です。

正しいものを正しく着用することで効果を発揮します。

保護具は正しく着用することが大切です。

安全な職場環境づくり

「不安全な状態にしない」ためには職場環境が大切です。

安全な職場環境の基本として「4S]があります。整理、整頓、清掃、清潔を行うことで職場環境を良い状態に保ちます。

  • 整理とは、必要なものと不必要ものを区別して不必要なものは処分します。
  • 整頓とは、必要なものを使いやすい場所に使いやすい状態で保つことです。
  • 清掃とは、身の回りや職場をきれいに掃除していつでも使えるように保つことです。
  • 清潔とは、整理・整頓・清掃を維持することで誰が見ても「きれい、わかりやすい、この状態を保とう」という気持ちにさせることです。

この「4S]を徹底することで職場環境を維持します。

危険予知訓練(KYT)

「あらかじめ危険を予知して対策を行う」ことを危険予知訓練(KYT)といいます。

この危険予知訓練で身の回りの危険を洗い出して対策を行うことで、危険への対処能力、危険への感受性の向上が行えます。

手順は以下のとうりです。

  1. 対象の作業や場所の選定
  2. 潜んでいる危険の洗い出し
  3. 洗い出されたた危険への対策や対応について検討する
対象の作業や場所の選定

職場内の作業や、今から行う作業などから選定し、場面や状況を想定します。

潜んでいる危険の洗い出し

想定された作業での危険を洗い出します。

他の作業で危険を感じたことはこの作業では起きないか?

過去にヒヤリハットはないか?気になることはないか?
などの着眼点で発想していきます。

発掘した危険への対策や対応について検討する

洗い出された危険は、すぐできることは対応します。

また、必要であれば作業手順の改定を行います。

実際に行動できる対策や対応を検討することが重要です。

実際に災害が発生した時の行動とは?

実際に災害が起きた場合の行動は

作業者として被災した場合と管理者として報告を受けた場合があります。

作業者として被災した場合

  1. 心を落ち着かせる
  2. 安全の確保
  3. 報告

心を落ち着かせる

大切なことは冷静になることです。

深呼吸をして心を落ち着かせます。

焦ってしまうと2次災害の危険性があります。

安全の確保

非常停止ボタン等を使用して機械を停止させる、安全な場所まで避難するなどで安全を確保します。

災害に遭った人を救助する場合は2次災害を発生させないように十分な安全を確保してから救助します。

特に感電災害は見た目に判りにくい場合もあるので十分な注意が必要です。

報告

責任者や上司に速やかに報告し、指示に従ってください。

管理者として報告を受けた場合

  1. 被災者の安全確保の確認
  2. 被災者の処置
  3. 機械や設備の状況を確認し対応する
  4. 発生要因を特定して対策を実施
  5. 社内ルールに沿って報告

被災者の安全確保の確認

災害の報告を受けたら被災者の安全が確保されているか確認します。完全確保が十分でない場合は対応します。

被災者の処置

被災者のけがの応急手当や救急車の手配を行います。

また、被災者は「大丈夫」と訴えてくる場合が多いですが、被災によるストレスで痛みに気づきにくくなっている場合もあります。

外傷がなくても事務所や詰所で一定時間様子を見ることも必要です。

当日に症状が出ない場合もあります。素人目には無症状でも医師に診てもらうことが基本となります。

被災当日に受診をせずに数日後に症状が出た場合は、因果関係の立証が困難な場合がありトラブルの原因となるからです。

機械や設備の状況を確認し対応する

被災者への対応が済んだら機械や設備の状況を確認します。

設備の操作状況や何の動作中で災害が発生したのか?ワークの状態はどうか?などを確認します。

災害の要因の特定や対策案の検討に必要のなので十分な確認を行います。

必要であれば写真の撮影やデータの抜き取り行います。

発生要因を特定して対策を実施

被災者からの聞き取りや、発生状況などから要因を特定して対策を実施します。

応急対策と恒久対策両方検討することが一般的です。

社内ルールに沿って報告

報告は社内ルールに沿って確実に行います。

小さな災害でも確実に報告を行うことが大切です。

一般的には災害直後の1次報告、対策状況や受傷の詳細状況などを報告する2時報告、最終的な3次報告があります。

まとめ

記事のまとめです。

  1. 安全衛生の目的は健康を保ち、危険がない中で安全に働くことができるようにすることです
  2. 実務での安全衛生とは
    1. 不安全な行動をしない
    2. 不安全な環境にしない 
    3. あらかじめ危険を予知する
  3. 災害が発生したときはまず安全の確保

安全衛生について解説しました。

安全に作業する、作業できる環境にすることは重要なことです。

基本的なルールをまもりつつもさらなる安全向上を目指して活動することが大切です。