なぜなぜ分析を使いたいけど不安。
注意することとかあるのかな、、、。
失敗したくないしなぁ。
そんな悩みにお答えします。
☑️記事の内容
- 【失敗事例と対策方法も】なぜなぜ分析を成功に導く7つのポイント
- なぜなぜ分析をするときのお守り
私は自動車メーカーの工場で改善活動の指導を10年以上行ってきました。実績を金額に換算すると1億円以上の改善を行なってきたいわゆる改善のプロです。
そんな私が解説していきます。
【失敗事例と対策方法も】なぜなぜ分析を成功に導く7つのポイント
成功への7つのポイントです
- 現象や「なぜ」は簡潔にする
- 遡り(さかのぼり)確認をする
- 抜けがないか確認する
- 再発防止策や対策案が出るレベルまで分析する
- 正常な状態は除外する
- 人の心理は追及しない
- 「悪い」は使わない
順番に解説していきます。
現象や「なぜ」は簡潔にする
「〇〇が〇〇くらい〇〇した」をテンプレとして意識しましょう。
例えば「電池の寿命が尽きたのでスマホが20%しか充電できない」という事象が「なぜ」に書いてあるとします。
そうすると、次の「なぜ」には「電池の寿命が尽きた」の方向からのものしか出て来なくなります。
このような場合は「電池の寿命が尽きた」と「スマホが20%しか充電できない」を2つに分け、どちらが先の現象になるか考えます。
この場合は「スマホが20%しか充電ができない」現象の「なぜ」に「電池の寿命が尽きた」を書きます。
こうすることによって「スマホが20%充電ができない」の「なぜ」に「電池の寿命が尽きた」以外の「なぜ」を探す事ができる様になります。
現象や「なぜ」は簡潔に「〇〇が〇〇くらい〇〇した」の様に「対象+期間や程度+現象」の形になるようにしましょう。
遡り(さかのぼり)確認をする
なぜなぜ分析が終わったら最後の「なぜ」から現象まで遡っていきましょう。
遡り、論理的に正しいか確認することで飛躍した分析がないかを確認できます。
飛躍した分析があればモレになりますので分析の失敗につながります。
- 女の子が泣いている
- ↓
- 風船が飛んでいった
- ↓
- 風船の紐から手が離れた
- ↓
- 紐が滑りやすい素材だった
この例を遡っていきます。遡るには「〜だから〜」を使います。
「紐が滑りやすい素材だった」だから「風船の紐から手が離れた」→OK
「風船の紐から手が離れた」だから「風船が飛んでいった」→OK
「風船が飛んでいった」だから「女の子が泣いている(泣いた)」→NG
この場合、「風船が飛んでいった」と「泣く」の間に飛躍が起きている事が分かります。
飛んでいったことが悲しくて泣く、無くしてしまったので親に怒られると思って怖くなって泣くなどの理論が抜けています。
このような飛躍した部分を発見するために遡りを行なっていきます。
抜けがないか確認する
前の「なぜ」は次の「なぜ」に書いた要因がなければ発生しないかを確認することで抜けをチェックしていきます。
例えば、「懐中電灯がつかない」に「電池の電圧が低い」と「電球が切れている」と「スイッチが機能しない」が挙げられているとします。
この場合、もし「電池の電圧が低い」と「電球が切れている」と「スイッチが機能しない」がなかったら「懐中電灯はつかない」は発生しないのかを考えます。
この場合だと「電池から電球まで繋がっていない」、「電球とソケットの接触が悪い」などの場合があれば初めの3つが解決されても「懐中電灯はつかない」は発生します。
この様なチェックを行い、抜けているものは追加して分析していきます。
考えられる要因が全て挙げられているか慎重に確認していきましょう。
再発防止策や対策案が出るレベルまで分析する
問題を解決するために分析を行なっていることを忘れないようにしましょう。
問題を解決するための「再発防止策」や「対策案」を出すことが目的です。
「再発防止策」や「対策案」が出て来れば2回の「なぜ」で止めることもあるし、出て来なければ5回にこだわらず「なぜ」を続けいていくことも大切です。
「A部品を点検していない」で分析をやめてしまい対策として「点検を実施する」としてはいけません。「点検をどうするのか(基準)」や「なぜ点検をしていなかったのか」などの分析が必要です。
現場や職場で実施していける「再発防止策」や「対策案」になるまで分析していきましょう。
正常な状態は除外する
正常な状態を分析しないようにしましょう。
良くある例です。
- 装置がオーバーヒートする
- ↓
- フル稼働しているから
- ↓
- 生産量が多いから
- ↓
- 受注が増えたから
といった分析です。
受注が増えて、生産がフル稼働というのは会社として正常なことです。
正常からズレている異常なことに注目して分析していきましょう。
人の心理は追及しない
人の心理(気持ちや状態)は解決策として出しても管理できません。
例として
- ボーっとしていた
- ↓
- 寝不足だった
- ↓
- 対策案 8時間の睡眠を推奨にする
これでは対策の効果は期待できませんよね。
ですので、分析の際には人の心理でなく設備的な問題や物理的な問題に注目して分析をしましょう。
設備的な問題や物理的な問題であれば管理することで再発防止策とする事ができます。
「悪い」は使わない
「悪い」は人によて解釈の度合いが違う言葉です。
材料が「悪い」といった場合を考えてみましょう。
- 形状が大きい
- 形状が小さい
- 硬さが硬い
- 硬さが柔らかい
- ・・・・・・・・・
など様々な解釈があります。
明確かつ具体的な表現を使用するようにしましょう。
なぜなぜ分析をするときのお守り
何故なぜ分析をするときのチェックシートです。
実際に分析の段階ではこのチェック項目でチェックしOKであれば対策案の検討へ進みましょう。
- □「悪い」を使っていないか?
- □正常な状態を分析していないか?
- □人の心理を分析していないか?
- □現象や「なぜ」は簡潔か?
- □分析結果は対策案が出るレベルか?
- □何故が解消されると現象は発生しないか?
- □遡って確認したか?
現場や職場で分析するときはこの項目でチェックしましょう。
なぜなぜ分析による失敗を防ぐことができます。
また、会社のフォーマット等に入れてしまうこともオススメです。
まとめ
まとめです。
- なぜなぜ分析を行うとき気をつけることは7つある
- 現象やなぜは簡潔にする
- 遡り(さかのぼり)確認をする
- 抜けがないか確認する
- 再発防止策や対策案が出るレベルまで分析する
- 正常な状態は除外する
- 人の心理は追及しない
- 「悪い」は使わない
- 分析中に困ったり、分析が終わったときはチェックシートでチェックする
分析に慣れないうちは迷ったりして難しく感じると思います。
身近な問題を利用して 分析→チェック→分析→チェック を繰り返していると難しく感じることも少なくなります。
ぜひ日常にもなぜなぜ分析を取り入れてみましょう。