今年からTPM活動ってのを始めるらしいのだけど何だろう、、、?
そんな疑問にお答えします。
☑️記事の内容
- 【初めてでもよくわかる】TPM活動でやることとは?
- TPM活動を進める時に絶対に知っておくこと
- TPM活動に資格が必要?
私は自動車メーカーの工場で改善活動の指導を10年以上行ってきました。実績を金額に換算すると1億円以上の改善を行なってきたいわゆる改善のプロです。
そんな私が解説します。
【初めてでもよくわかる】TPM活動でやることとは?
TPM活動でやることはズバリ「ロス」を無くしていくことです。
社団法人日本メンテナンスプラント協会によると
「生産システム効率化の極限追求(総合的効率化)をする企業体質づくりを目標にして、生産システムのライフサイクル全体を対象とした”災害ゼロ・不良ゼロ・故障ゼロ”などあらゆるロスを未然防止する仕組みを現場現物で構築し、生産部門をはじめ、開発・営業・管理などのあらゆる部門にわたってトップから第一線従業員にいたるまで全員が参加し、重複小集団活動により、ロス・ゼロを達成すること」
公益社団法人日本プラントメンテナンス協会
と定義されています。
ちょっと言葉がかたいのでわかりやすくすると
- 生産に関わること全てを効率化する企業体質にすることが目標
- 生産に関わる全てにおいて「災害ゼロ、不良ゼロ、故障ゼロ」などのロスが発生しな仕組みをつくる
- ロスが発生ない仕組みは現場現物を基本とする
- TPMの対象部門は製造部門だけでなく、開発、営業、管理などのあらゆる部門
- TPMの参加は社長からアルバイトの新人まで全員で行う
- TPMは「重複小集団」で活動を行う
- 「重複小集団」とは小集団のリーダーが上の階層の小集団のメンバーとなっている組織形態
ですからTPM活動でやることは「ロス」を無くしていくことなのです。
やることと一緒にTPMの目標の「生産に関わること全てを効率化する企業体質にすること」も覚えておきましょう。
TPM活動を進める時に絶対に知っておくこと
TPM活動を始めるには「ロス」について知っておく必要があります。
「ロス」について
「ロス」とは、インプットとアウトプットの差のことです。
生産活動は「ロス」により時間、お金、物が失われています。
例えばムダな動作をしていればその動作の時間分の給料(お金)が失われ、材料を効率的に使わず生産すれば材料(物)が失われています。
TPM活動で無くしていく「ロス」なんと16種類もあります。
生産活動における「16大ロス」と呼び人の効率化を阻害するロス、設備の効率化を阻害するロス、原単位の効率化を阻害するロスの3つのロスに分類できます。
「原単位」とは聞き慣れない言葉ですが、物を造るために使用するもの(原材料やエネルギー)のことです。
人の効率を阻害するロス
- 管理ロス
- 動作ロス
- 編成ロス
- 自動化置き換えロス
- 測定調整ロス
設備の効率化を阻害するロス
- SD(シャットダウン)ロス
- 故障ロス
- 段取り・調整ロス
- 刃具ロス
- 立ち上がりロス
- チョコ停・空転ロス
- 速度低下ロス
- 不良・手直しロス
原単位の効率化を阻害するロス
- 歩留りロス
- エネルギーロス
- 型・治工具ロス
以上が16大ロスになります。
「ロス」を減らしたり、無くすことで生産の効率最大化を進めていきます。
生産の効率最大化とは生産に必要な人、物、カネの投入量を最少にして最大の生産量を得ることです。
TPM活動に資格が必要?
TPM活動に関係する認定資格はありますが、必ず必要というわけではありません。
「自主保全士」の認定資格合格すればTPMの基本基礎である4つの能力、5つの知識・技能が備わっている『自主保全士」であると認定されます。
4つの能力
- 異常発見能力(異常を異常と見る目)
- 処置・回復能力(異常に対して正しい処置ができる)
- 条件設定能力(正常や異常の判断基準を定量的に決められること)
- 維持管理能力(決めたルールをきちんと守れること)
5つの知識・技能
- 生産の基本
- 設備の日常点検
- 効率化の考え方とロスの捉え方
- 改善・解析の知識
- 設備
- 設備保全の知識
TPM活動をスムーズに進めるにはどれも欠かせないモノです。
自主保全士には1級と2級があり、リーダークラスとメンバークラスといったイメージです。
絶対に必要なわけではありませんが、自身の立場にあった認定資格を取得することをお勧めします。
まとめ
記事のまとめです
- TPM活動でやること「ロス」を無くしていくこと
- 「ロス」とはインプット(人、モノ、カネ)とアウトプット(製品)の差のこと
- 生産活動における「ロス」は16種類ある
- TPMに関係した資格で「自主保全士というものがある」
- TPM活動に取り組む時は全社で取り組むことが一般的です。
つまり、TPMで良い成果を出せたら全社で認められるということです。
活動するには十分な知識が必要です。
しっかり学んでTPM活動を盛り上げていきましょう。