なぜなぜ分析をするといつも「正しい手順で作業する」とか「チェックを確実に行う」とかの当たり前の対策になってしまう、、、。
そんな悩みにお答えします。
☑️記事の内容
- 【使ってはいけない】なぜなぜ分析でのNGワード
- なぜなぜ分析で結果が出せる!表現方法
この記事を書いている私は、自動車メーカー工場で改善活動の指導経験が10年以上。金額換算すると1億円以上の改善経験があります。
そんな私が解説します。
【使ってはいけない】なぜなぜ分析でのNGワード
なぜなぜ分析を行なっても「正しい手順で作業する」とか「チェックを確実に行う」とかの当たり前の対策になってしまう原因は「なぜ」の表現が曖昧だからです。
「なぜ」の表現が曖昧だとその「なぜ」も曖昧になり、結果として対策も「正しい手順で作業する」や「チェックを確実に行う」といった曖昧なものになってしまうのです。
使ってはいけないNGワード集 10選
- 〇〇意識が無い
- 〇〇管理不足
- 〇〇不十分
- 悪い
- わかる
- チェックが甘い
- イメージが無い
- 見慣れていない
- 認識が甘い
- 習慣が無い
以上が厳選したNGワードです。
これらの言葉を意識的に避けるとなぜなぜ分析の結果は大きく変わっていきます。
イマイチな結果になってしまったなぜなぜ分析にこれらのNGワードが含まれていないか確認してみるといいかもしれません。
なぜなぜ分析で結果が出せる!表現方法
なぜなぜ分析に曖昧な表現を使うと結果も曖昧になると前項でお伝えしました。
曖昧でない表現を使えばなぜなぜ分析の精度がグンと上がりしっかり結果が出せるようになります。
どのような表現が良いのか解説していきます。
NGワードを例にすると
- 〇〇意識がない
- ↓
- 客観的で分かりやすい「〇〇であるかどうか判断できない」や「〇〇であることに気がついていない」など具体的な表現をしましょう。
- 〇〇管理不足
- ↓
- 管理といっても「計画」、「実行」、「検証」、「見直し」など様々な意味を含んでいます。「〇〇の計画が△△について抜けている」など具体的な表現をしましょう。
- 〇〇不十分
- ↓
- 不十分も意味が広い言葉です。「〇〇しなかった」、「〇〇できなかった」、「〇〇しづらかった」などの具体的な表現をしましょう。
- 悪い
- ↓
- 例えば「作業の仕方が悪い」では「間違った『手順』で作業していた」のか「間違った『道具』で作業していた」のか「間違った『道具の使い方』で作業していた」のか曖昧です。
- 悪いということは何かの基準に対してズレている状態です。何がどうズレているのか具体的な表現をしましょう。
- わかる
- ↓
- 「わかる」は「分かる」、「判る」、「解る」のように微妙に意味が違う使い方をします。可能な限り「分かる」は「知る」、「判る」は「判断できる」、「解る」は「理解できる」に置き換えて表現しましょう。
- チェックが甘い、イメージが無い、見慣れていない、認識が甘い、習慣が無い
- ↓
- 代表的な曖昧表現です。例えば、「チェックが甘い」ではなく「チェックしている時もあるししていない時もある」、「やりやすいところしかチェックしていない」と表現できます。
- この手の曖昧表現は様々な行動を一括りにして表現しているので、実際に考えられる行動で表現すると具体的な表現ができます。
このようにNGワードにあるような曖昧表現は使わず、具体的な表現を心がけましょう。
また、その他にも「主語を入れて分析対象を明確にする」、「発生時期や時点、傾向を具体的に表現する」といった表現を意識することも必要です。
- 主語を入れて分析対象を明確にする
- 「〇〇を見ていなかた」ではなく主語を入れて「監督者は〇〇を見ていなかった」、「〇〇と判断した」でなはなく「作業者Bは〇〇と判断した」、「連絡がなかった」ではなく「管理者Aから監督者Bに連絡がなかった」というように主語を入れて表現します。
- 特にヒューマンエラーの分析を行なう際には必須ともいえます。
- 発生時期や時点、傾向を具体的に表現する
- 例えば「間違った手順で作業していた」に発生時期を加え表現すると「間違った手順で1年前から作業していた」になります。
- 当然、「間違った手順で作業していた」でしたら「手順」に関しての「なぜ」を分析していくことになるでしょう。
- しかし「間違った手順で1年前から作業していた」とすると管理側の「なぜ」にも分析が及んで効果的な対策へとつながることがあります。
- このように発生時期や時点、傾向が具体的に表現できる場合はかならず表現するようにしましょう。
結果を出すためのなぜなぜ分析の表現として
- ・曖昧な表現を使わない
- ・主語を入れて分析対象を明確にする
- ・発生時期や時点、傾向を具体的に表現する
を意識した表現が大切です。
まとめ
まとめです。
- なぜなぜ分析には使ってはいけないNGワードがある。
- それは全て曖昧表現。
- 結果を出すなぜなぜ分析をするためには
- 「曖昧表現を使わない」
- 「主語を入れて分析対象を明確にする」
- 「発生時期や時点、傾向を具体的に表現する」
- を意識することが必要
なぜなぜ分析の表現を具体的にすると個人攻撃になってしまったり上司批判に繋がるのでは無いかと心配される方もいると思います。
しかし、あくまでも分析の目的は「責任追求」ではなく「対策すべき弱点を探すための原因究明」です。
なぜなぜ分析で結果を出すためにも表現方法にはこだわりましょう。