なぜなぜ分析を始めたいけど問題にどうアプローチしていくことが正解なの?
そんな悩みにお答えします。
☑️記事の内容
- 【アプローチ方法】なぜなぜ分析を始める前に考える
- アプローチ方法の種類による違いって?
- 結局はどっちを使えばいいの?
私は自動車メーカーの工場で改善活動の指導を10年以上行ってきました。実績を金額に換算すると1億円以上の改善を行なってきたいわゆる改善のプロです。
そんな私が解説します。
【アプローチ方法】なぜなぜ分析を始める前に考える
「アプローチ」とは目標や目的に近づく事をいいます。
なぜなぜ分析も問題の解決に近づく手段です。
普段、何かの問題に直面した際どのように考えていますか?
例えば、「ゴルフが上達しない」、「料理が美味しくない」、「貯金がたまらない」、「家が片付かない」といった場合を考えてみてください。
一つは、「ゴルフが上達しない」、「美味しくない」、などの理想の状態を思いうかべて原因を探っていく方法があります。こうあるべきだ、という状態に何が足りていないのか分析していきます。
もう一つは、「貯金がたまらない」、「家が片付かない」といった問題に対してなぜその問題が発生しているのかを考える方法です。貯金がたまらない理由を収入より収支が多いといった原理、原則を元にして分析していきます。
このように問題を解決するアプローチは大きく2種類あります。
なぜなぜ分析を始める前にどちらのアプローチ方法で分析を進めていくか検討することが必要です。
アプローチ方法の種類による違いって?
まず、理想の状態を思い浮かべて原因を探るアプローチ方法を「あるべき姿からのアプローチ」とします。
次に原理、原則を元に原因を探っていくアプローチ方法を「原理、原則からのアプローチ」とします。
アプローチ方法は基本的にこの「あるべき姿からのアプローチ」か「原理、原則からのアプローチ」のどちらかに分類できます。
「あるべき姿からのアプローチ」
特徴はあるべき理想の姿(状態)と現在の姿(状態)を比較することで問題を探っていく方向を決定し、その後「なぜ」「なぜ」を繰り返しながらその要因を探っていきます。
「原理、原則からのアプローチ」
特徴は問題の部分に着目して原理、原則を考えます。その考えた原理、原則を「なぜ」に記入して次の「なぜ」を探っていく方法です。
また、的確な知識や情報があれば誰がやっても最初の「なぜ」はほとんど一緒の結果が出ることも特徴です。
このように「あるべき姿からのアプローチ」には分析者の主観が入る可能性がある、「原理、原則からのアプローチ」では的確な知識や情報があれば分析者の主観が入りにくいといった違いがあります。
結局はどっちを使えばいいの?
「原理、原則からのアプローチ」を使いこなせるようになるのが理想。慣れない間やかんたんな問題には「あるべき姿からのアプローチ」でもOKです。
なぜなら、「原理、原則からのアプローチ」は的確な知識や情報が必要になるからです。知識や情報の不足はそのまま分析時の「なぜ」の答えの不足につながりモレの原因となります。
しかし、下調べを入念に行えば問題になりません。
複雑な問題への分析や、重要な問題への分析は「原理、原則からのアプローチ」を使いましょう。
また、「あるべき姿のからのアプローチ」は「あるべき姿」の理解度により分析の精度に大きな差が出てしまいます。ですので、簡単な問題や構造や仕組みが単純で理解しやすい問題に使いましょう。
慣れてくくると「原理、原則のアプローチ」を使いこなすことになります。
理由として、モレが少なく何より的確な知識や情報があれば分析者の主観が入りにくいといった特徴から、第3者への説明に説得力があるからです。
まとめ
記事のまとめです
- なぜなぜ分析でのアプローチ方法は2つ。「あるべき姿のからのアプローチ」と「原理、原則のアプローチ」
- 「あるべき姿からのアプローチ」には分析者の主観が入る可能性がある
- 「原理、原則からのアプローチ」を使いこなせるようになるのが理想
- なぜなら「原理、原則からのアプローチ」では的確な知識や情報があれば分析者の主観が入りにくいから
目標は自然に「原理、原則からのアプローチ」を使いこなす事です。
様々な分析にチャレンジしてレベルアップを目指しましょう。