【ざっくり解説】QC7つ道具と新QC7つ道具

改善japan
Wooden toolbox full of different equipment for repair and construction work. Professional instrument. Isolated vector illustration

QC7つ道具とは、、、?新QC7つ道具とは、、、?よく耳にするけどホントはよくわかっていない、、、。

そんな悩みにお答えします。

☑記事の内容

  1. 【ざっくり解説】QC7つ道具と新QC7つ道具
  2. QC7つ道具を使うメリットって何?

私は自動車メーカーの工場で改善活動の指導を10年以上行ってきました。実績を金額に換算すると1億円以上の改善を行なってきたいわゆる改善のプロです。

そんな私が解説して

【ざっくり解説】QC7つ道具と新QC7つ道具

QC7つ道具とは以下の手法のことです。

  1. パレート図
  2. 特性要因図
  3. グラフ
  4. 管理図
  5. チェックシート
  6. ヒストグラム
  7. 散布図
  8. 層別 (絶対必須なので特別参入)

新QC7つ道具とは以下の手法のことです。

  1. 親和図法
  2. 連関図法
  3. 系統図法
  4. マトリックス図法
  5. アローダイヤグラム
  6. PDPC法
  7. マトリックスデータ解析法

ざっくり解説していきます。

QC7つ道具

品質改善などでデータを集めて分析しますよね?

QC7つ道具はデータを集めて分析するときに活用する手法で主に「数値データ」を扱う手法です。

「数値データ」とは「製品重量」や「不良数」や「数字で表すことのできるデータです。

パレート図

「パレート図」は何が重要なのかをわかりやすくすることができます。

現象別や製品別ごとにデータを集計して何が全体のどのくらい占めているのかを表現します。

重点志向で何に取り組むべきかを検討したり、改善前、改善後の変化を確認するためによく使われます。

特性要因図

「特性要因図」はQC7つ道具で唯一「言語データ」を分析します。

「言語データ」とは数字にできない「探す」や「疲れ」など言葉のデータです。

現象(結果)と原因の関係性を整理することができます。

魚の骨の形に似ていることから「フィッシュボーンチャート」と呼ばれたりすることもあります。

問題や課題の原因を整理し、どれが重要な原因なのかを検討するときによく使われます。

グラフ

「グラフ」はデータの比較を目で見てわかりやすくします。

「円グラフ」や「積み上げ式柱状グラフ」といった面積で全体の構成をわかりやすくします。

改善前と改善後の比較をするときなどによく使われます。

管理図

「管理図」は工程が安定しているかどうかを目で見てわかりやすくします。

上限と下限、中央値を管理し、上限、下限をこえたデータがあれば以上、中央値付近にデータが集まっていれば安定していると判断します。

品質を管理するためによく使われます。

チェックシート

「チェックシート」は項目別のデータを集計するときによく使われます。

また、チェックの量から視覚的にも全体の分布状況がわかります。

ヒストグラム

「ヒストグラム」はデータの分布を柱状グラフで表現します。

データを区間分け(0.0~9.9,10.0~19.9、20.0~29.9といった感じ)して、その区間のデータの数を集計して柱状グラフで表します。

現状の分析や改善前、改善後の比較等によく使われます。

散布図

「散布図」は2つのデータ間にどんな関係があるのかという特性関係(相関関係)を表現します。

「正の相関」「負の相関」「相関がない」の3つの判断をするのが一般的です。

対策案の検討や効果のの裏付けとしてよく使われます。

層別

「層別」はデータをグループ別に分けて問題点を把握する方法です。

全体の不良を「形状不良」と「重量不良」と「その他」に分けたりすることです。

現状の分析や改善前、改善後の比較等によく使われます。

新QC7つ道具

新QC7つ道具は間接部門などで問題の方向性を見出すために使う手法で主に「言語データ」を取り扱います。

「言語データ」とは事実、意見、発想等を言葉にして、それをデータして扱っている状態のことです。

親和図法

「親和図法」は言語データをグループ分けして整理、分類、体系化していきます。

このグループの分け方が「ほとんど同じ」「親近感を感じる」といった視点でグループ分けします。

複雑な状態の問題を整理したり、物事の本質をとらえたいときなどによく使われます。

連関図法

「連関図法」は原因と結果、目的と手段などが絡み合った問題を解きほぐしていきます。

絡み合ったものを論理的につないでいくことで、問題を明らかにします。

因果関係をはっきりさせたいときや、問題の核心に迫りたいときによく使われます。

系統図法

「系統図法」とは目的と手段を系統づけて対策を整理する方法です。

目的→手段(次の目的)→手段、、、やるべきことを深堀りして展開していきます。

問題の対策や方策を系統的に作成するためによく使われます。

マトリックス図法

「マトリックス図法」は「系統図法」などで展開した対策や方策の重みづけを行います。

2つの要素を「行」と「列」に並べてその交点でに着目して評価をしていきます。

評価の結果の合計やバランス等で重みづけを行います。

対策案の検討や予算の配分先の検討など、検討するときによく使われます。

アローダイヤグラム法

「アローダイヤグラム法」は作業や工程が絡み合っている場合に「順番などの関係」と「日程」について明確にしていきます。

作業進捗のチェックや、送らせてはいけない日程(クリティカルパス)の把握によく使われます。

PDPC法

「PDPC法」は目的の達成までの様々な問題を事前に検討しておくことで目標を達成の方向に導く方法です。

作成、検討することで問題の所在や最重要事項を把握することができます。

実際に改善や活動を行う計画段階でよく使われます。

マトリックスデータ解析法

「マトリックスデータ解析法」は唯一数値データを扱います。

2つのデータの関係性や傾向を調べるときに利用します。

PCで専用ソフトを利用しての解析になります。

QC7つ道具を使うメリットって何?

「QC7つ道具」や「新QC7つ道具」を使うメリットは関係者との共通認識を獲得しやすいことです。

パレート図や管理図を使って報告や説明すれば現状や伝えたいことなど、データの傾向に対する共通認識を獲得した上での会話ができます。

親和図法や連関図法も様々な言語データ分析の結果を関係者に明確に認識してもらうことができます。

特に「新QC7つ道具」はグループやチームで行うことが多いです。この時に一緒に行ったメンバーとはかなり正確な共通認識が得られます。

7つ道具なしの報告じゃダメなのか?という意見もあるかと思います。

QC7つ道具、新QC7道具は、品質管理に特化して研究されているので同じデータでも重要なところに気づきやすくなっています。

ですからスムーズに品質管理といいた問題解決行動を進めていく場合は活用することをお勧めします。

まとめ

記事のまとめです

  1. QC7つ道具は8つある
    1. パレート図
    2. 特性要因図
    3. グラフ
    4. 管理図
    5. チェックシート
    6. ヒストグラム
    7. 散布図
    8. 層別
  2. 新QC7つ道具 
    1. 親和図法
    2. 連関図法
    3. 系統図法
    4. マトリックス図法
    5. アローダイヤグラム
    6. PDPC法
    7. マトリックスデータ解析法
  3. データを用いて報告や相談する必要があるなら手法の活用により相手の理解度が向上する

ざっくりQC7つ道具の解説をしました。

身の回りでも、広告やホームページのデータを扱う場合に使われていたりもします。

品質管理や改善活動以外にも問題解決行動にも活用できるため幅広く利用されています。

どんなものがあるのかを理解しておき、使う場面になったときに深く理解して回数を使うことをお勧めします。