IE手法の付帯分析について知りたいな、、、。
そんな悩みにお答えします。
☑記事の内容
- 付帯分析とは
- 流れ分析について
- 停滞分析について
- 運搬分析について
- 余力分析について
私は自動車メーカーの工場で改善活動の指導を10年以上行ってきました。実績を金額に換算すると1億円以上の改善を行なってきたいわゆる改善のプロです。
そんな私が解説していきます。
付帯分析とは
付帯分析とは、IE手法での工程分析を行うために流れや停滞の状態などを詳細に分析することです。
- 流れ分析
- 停滞分析
- 運搬分析
- 余力分析
の4種類があります。
また、付帯分析を行う際にチェックリストを利用し、各質問に「No」の場合は問題、あるいは改善ができるのもなので改善の検討を行います。
付帯分析チェック項目
- 流れ
- 運搬経路は短縮できないか
- 製品の流れは逆行・交差していないか
- 狭い通路はないか
- 製品の上下移動は多くないか
- 設備の配置は製品の流れに適しているか
- 製品の流れは一定になっているか
- 停滞
- 部品、製品の配置は作業に適しているか
- 品物の置き方は、入出庫に便利なようになっているか
- 在庫量はすぐにわかるようになっているか
- 保管数量は適しているか
- 伝票と現物の数は一致しているか
- 棚の形、高さは品物に適しているか
- 製品に適した積み方になっているか
- 製品の破損、変質、紛失の危険性をなくせないか
- 余分な材料、部品を減らせないか
- 正規の保管場所、保管責任者が定められているか
- 基準貯蔵量は常に維持されているか
- 運搬
- 無駄な運搬をなくせないか
- 1回の運搬量を変えることにより運搬回数を減らせないか
- 重量や距離に応じた運搬方法になっているか
- 人力による運搬を減らせないか
- 運搬を機械化できないか
- 運搬方法は標準化されているか
- 余力
- 各工程のバランスはとれているか
- 準備工程と本工程のバランスはとれているか
- 日程別のバランスのムラを少なくできないか
- 次項以降で核分析について解説します。
流れ分析について
流れ分析とは、「製品の流れや作業者の動きの状況を配置図や見取り図に線図で記入する方法」です。作業場の配置や運搬方法の検討を容易に行うことができます。
上下の移動が伴う場合には全体の見取り図に線図を記入した「立体流れ線図」や上下の移動距離をグラフに著した「上下移動千頭」を作成し、流れに関する問題点を検討します。
流れ分析で作成した線図を利用して配置を検討することもできます。
停滞分析について
停滞分析とは「停滞の場所、理由、置き方、時間、数量、停滞の原因などの現状を把握する方法」です。行程分析の停滞の分析時に活用する補助手法です。
行程内の停滞には大きく3種類あります。
- 素材や製品が倉庫に貯蔵されている(保管)
- 仕掛品が次の工程や検査、運搬を待っている(行程待ち)
- ロット作業で加工前または加工済みの製品(ロット待ち)
これらは作業者や機械の手待ちを防ぐという役割があるものの、製品等のスムーズな流れを妨げます。
停滞は何も加工がされず、価値を生み出さないものですから「ムダ」ととらえ改善の必要があります。
停滞分析の手順
- 分析する停滞を決める
- 各停滞の調査をする
- 分析用紙に調査内容を記入する
- 分析結果に基づき改善を検討する
h4分析する停滞を決める
製品工程調査分析に基づき、特に問題視するべき停滞の中化から分析対象を決定します。
- 停滞時間が長いもの
- 停滞数量が多いもの
- 停滞のため場所を多くとっているもの
- 停滞中に製品の紛失や破損・汚損の危険があるもの
などから分析対象を決定します。
各停滞の調査をする
P162の表を2カラムに分け2つのリストで表示
停滞内容
製品名
停滞場所
停滞理由
置き方、容器
レイアウト
前後工程
数値
停滞時間
停滞数量
重量
体積
床からの高さ
整備状態
整理状況
紛失、破損の危険性
他作業への妨害
数量点検の容易性
管理方法
伝票の有無
伝票と現物の差
保管費用
保管責任者、役職、人員
この項目から各停滞内容にあったものを選んで調査します。
分析用紙に調査内容を記入する
分析結果をわかりやすく分析表に記入します。
分析結果に基づき改善を検討する
分析結果を
- 停滞をなくせないか
- 停滞時間、数量を減らせないか
- 分析表のチェック項目により、効率的な管理はできないか
の順番で検討し、改善案を立案します。
停滞をなくせないか
改善案例
- ロット作業を流れ作業に変更し、各工程のバランスをとる
- 運搬方法の改善により、運搬回数を減らす
- 加工や検査を同時に行う
- 加工や検査の順序を変える
- レイアウトを変える
停滞時間、数量を減らせないか
改善案例
- 前後工程のバランスをとる
- 工程の生産能力にあった生産計画を立てる
- 日程管理により、必要最小限の停滞時間、数量を維持する
分析表のチェック項目により、効率的な管理はできないか
- 停滞品の整理整頓を行う
- 伝票などにより停滞数量の把握を容易にする
- 紛失、破損、変質などの危険をなくす
- 他作業や通路の妨害をなくす
- 製品に悪影響を及ぼさない置き場所を指定する
- 作業者に製品の保管に関する責任を持たせる
- 取り扱いやすい容器の利用を検討する
運搬分析について
運搬分析とは、「素材、製品の運搬の現状を把握するために、運搬量、運搬手段、運搬経路などを調べる方法」です。
運搬は加工の分業の結果生じたもので、次の加工工程に製品を移動する役割があります。
運搬自体には価値はなく、時間と労力を消費するだけですから1メートルでも、1センチでも改善して行くことが大切です。
運搬の前後に発生する製品の取り扱い(箱詰めや積み下ろしなど)にも多くの時間がかかりますから、運運搬と一緒に改善を進めていきます。
運搬分析の活用により、必要最小限の運搬で効率的に製品を流すための検討ができます。
余力分析について
余力分析とは、「生産の目標に対して、作業者や機械設備に能力に応じた仕事が割り当てられているかどうかを検討するために、各工程の仕事量を製品別、工程別に調べる方法」です。
作業者や機械設備の能力が生産の目標を上回るときは余力があるといいます。
余力が多いと作業者の手待ちが生じますが、y力が少ないと製品の停滞がが発生します。
工程間の余力の状態を把握、検討することでネック工程の把握や効率的な作業編成を行うために必要な「作業者の人数」「機械台数」「治工具の必要数」などを決定することができます。
まとめ
記事のまとめです。
- IE分析の付帯分析とは、IE手法での工程分析を行うために流れや停滞の状態などを詳細に分析すること
- 主に4つ
- 流れ分析
- 停滞分析
- 運搬分析
- 余力分析
IE分析の付帯分析について解説しした。
IE分析は幅が広いため、様々な分析を活用していきます。
IE分析以外でも活用できますので、ぜひ身近な工程での分析を行ってみましょう。